佐藤純彌『男たちの大和』

◆『男たちの大和 YAMATO』監督:佐藤純彌/原作:辺見じゅん/2005年/東映/145分
話題になっているので見に行ったのだが、出来がイマイチで残念だった。同じく戦艦物である『亡国のイージス』のほうがエンターテイメントとして楽した。
思うに、この映画は日本版のタイタニックだと思うのだ。だから、映画は涙を誘うように作られていた。顔のクロースアップが多用されていることからも明らかだ。他にも、主人公たちが家族や愛する人との別れをする場面。男同士の友情に「桜」を持ち出したり、雪の降る中で母と息子が抱き合ったりと、典型的な物語のパターンを組み合わせているだけだった。だからこそ、もう少し物語の細部にもこだわってほしかったと思う。