ジャン=リュック・ゴダール『アワーミュージック』

◆『アワーミュージック』監督:ジャン=リュック・ゴダール/2004年/フランス=スイス/80分
2回目。この前は京都で見たが、きょうは大阪で見た。一度見ているので、ストーリーを気にせず見ることができた。前回は、ストーリーを掴むだけで精一杯で、どのような映像があったのかうまく把握できなかった。見逃していた場面が多かったのだ。その点、今回は余裕があったので「ああ、こんな場面があったのか」と前回見逃していた場面を見つけたりして面白かった。
難しい映画ではあるのだけど、「ゴダール」の映画としては、それほど難解ではないのだろうなと思う。「ゴダールだから、きっと難しいはずだ」と気張らなくても大丈夫な映画だ。逆に言えば、難解さを求めて見に行くと肩すかしにあうのではないか。
生きているほうがありえないことなのではないかと世界の状況を憂いながらも、この映画自体は優しさを感じる。人々を見つめるゴダールの眼差しが優しい。悲惨な映像をたくさん挿入しているのだが、だからといって映画を見終わってからイヤな気分には絶対ならない。ありきたりの感想だが、「希望」がある映画だと思う。もう一回見てもいい。