小谷野敦『帰ってきたもてない男』

小谷野敦帰ってきたもてない男――女性嫌悪を超えて』ちくま新書、2005年7月
前作の『もてない男』が面白かったので、期待しながら読む。
テレクラ体験話や結婚相談所の体験話など、こんなことまでやってみたのかと少し驚いた。結局、好きになった人に相手にされないという「もてない男」問題は、社会構造の問題でもないし、個人のつまり「もてない男」の努力次第(もてるようにコミュニケーションスキルを上達させる等)で解決できる問題ではないのだろう。思うに、あとは「運」が解決してくるのを待つしかないのでは。好きになった人に相手にしてもらえる、そんな幸運が訪れるまで「もてない男」は孤独に耐えるしか道は残されていないのか。
そうすると、これは他人が「もてない」と悩んでいる人に、どうのこうのと言っても仕方がないのだろう。

帰ってきたもてない男 女性嫌悪を超えて (ちくま新書 (546))

帰ってきたもてない男 女性嫌悪を超えて (ちくま新書 (546))