J・ウルフ『ノージック』

◆J・ウルフ(森村進森村たまき訳)『ノージック 所有・正義・最小国家勁草書房、1994年7月
これは比較的読みやすい本。以前、ウルフの『政治哲学入門』を読んだけど、こちらも読みやすかった記憶がある。翻訳が良いのか、ウルフの書き方が良いのか。本書には、訳者の長文の解説(というよりノージック論)が付いている。これも読んでおいて損はしない。
ウルフは、ノージックの『アナーキー・国家・ユートピア』を批判的に検討する。全体を通して、ノージックの論には否定的だ。本書では、権利論、(最小)国家擁護論、権原理論を主に分析していたが、いずれもノージックは我々の説得に失敗していると結論していた。なかなか手厳しい読み手だと思う。
また、『アナーキー・国家・ユートピア』を読みたくなってきた。

ノージック―所有・正義・最小国家

ノージック―所有・正義・最小国家