元ネタがあると予想

『クォータリー[アット]』創刊準備号(0号)に掲載されている、上野千鶴子の「生き延びるための思想」というインタビュー記事が面白い。共感出来る部分もあれば、私の考えとは異なる部分もあって、興味深い読み物だった。
一つ興味を引いたものがある。それは「コモンズ」、上野自身の言葉によるならば「選択縁」という考えだ。

上野――「コモンズ」は、昔なら「入会地」ですね。中世的な村落共同体に基づいた権利に結びついてしまうので、それと同一視してもらうと困る。過去とは違う、新しい「コモンズ」を考えているので。ですから、「コモンズ」とか「コミュニティ」という言葉よりも、わざわざ「選択縁」という言葉を使っています。(p.32)

この元ネタを知りたい。

上野――「選択縁」の基本はまず「加入・脱退の自由」、そして「部分帰属」、あそこがダメならこちらがあるさの原則、ですね。自分を全部は集団に譲り渡さない。集団と自分を運命共同体にしない、ということです。(p.32)

複数の集団に属す自由があり、しかも脱退も自由に行えるようにする。どこか一つだけに属していると、その集団で生きにくい状況が起きた場合、もう逃げ場所がなくなる。追いつめられてしまうが、複数の集団に属することで、もしAというグループでうまくいかなくても、Bというグループでは自己の尊厳を保てるようにする。こうした考え方は、たとえば学校の問題(「学校化」批判の文脈)を取り上げた本で見かけるのだが、最近流行しているのだろうか?(特に社会学界隈で)。きっと元ネタがあるはずと予想しているのだけど、一体それはなんだろう?。すごく気になった次第。