三島由紀夫『行動学入門』

三島由紀夫『行動学入門』文春文庫、1974年10月
晩年の三島はしばしば「行動」ということを口にした。この本で、三島が考える「行動」を説明している。
この時期の三島の書いたものを読むのは、かなり息苦しい。というのも、この本でも説かれることだが、「行動」と「意志」あるいは「目的」と一致させようとするのだ。「目的」のない「行動」は美しくない、というわけだ。「行動」は、ある一つの「目的」のために行われなくてならない。もう余裕が無くなっているなあということをすごくよく感じる。これは読んでいて苦しい。こんな生き方は、ただただつらいだけではないか、と。

行動学入門 (文春文庫)

行動学入門 (文春文庫)