2004-01-15 その1 雑文 芥川賞が決まる。今回は、金原ひとみ「蛇にピアス」と綿矢りさ「蹴りたい背中」だった。二人とも最年少の受賞だという。「蛇にピアス」はまだ読んでないのでなんとも言えないが、綿矢りさは前作の『インストール』からとりあえず注目して追っかけていたので、自分の眼力もまあまあかなと、一人ほくそ笑む。 個人的には、『インストール』のほうが良かったと思う。「蹴りたい背中」は、何て言うか「上手な」小説という雰囲気がして、それが気になって仕方がない。一歩間違えば作品が破綻してしまうような不安定さを持つ作品のほうが、個人的には面白い。なので、文体にそうした不安定さをもつ『インストール』のほうが好きだ。