そうだ、「みんな」はバカなのだ

仲正昌樹『「みんな」のバカ!無責任になる構造』光文社新書、2004年6月(ISBN:4334032524)
小林秀雄小林秀雄全作品28 本居宣長 下』新潮社、2005年1月(ISBN:4106435683)
仲正氏はとても面白い本を書くので、とにかく著作を読んで読んで読みまくろうと思っている。私が日頃考えているけれど、うまく説明できない事柄を、私より上手に(当然だけど)論じていて、毎回「そう!そういうことなんだよ」みたいな気分になる。というわけで、仲正氏の考えをひそかに盗んでみたりしているのだった。
毎月買っている『小林秀雄全作品』だが、とうとう別巻以外は全部揃った。あと、残りはとうとう全集の巻で一番欲しかった別巻だ。我ながら、この壮大な無駄と手に入れようとする執念はすさまじい。

阿部和重、芥川賞を受賞

とうとうと言うべきか、いまさらと言うべきなのか、今回の芥川賞阿部和重が受賞した。

第132回芥川・直木賞日本文学振興会主催)の選考委員会が13日、東京・築地の「新喜楽」で開かれ、芥川賞阿部和重さん(36)の「グランド・フィナーレ」(群像12月号)、直木賞角田光代(かくたみつよ)さん(37)の「対岸の彼女」(文芸春秋)に決まった。
→『MSN-Mainichi』より
本人も「複雑な心境。新人に与えられる賞なので、手放しで喜んでいられない」と述べていて、たしかにもうちょっと早く受賞していてもおかしくなかった思う。なにはともあれ、現代作家のなかでは実力はピカイチだし、私は特に興味を持っている作家なので、この受賞には感慨深いものがある。
とは言いいつつも実はまだデビュー作の『アメリカの夜』と『ニッポニアニッポン』しか私は読んでいないのだ。それでは良くないので、これを機会に阿部の主要作品を全部読んでみたい。とりあえず暇なので、リストなんか作ってみる。
阿部和重作品リスト
アメリカの夜講談社文庫
ABC戦争―plus 2 stories新潮文庫
無情の世界新潮文庫
インディヴィジュアル・プロジェクション新潮文庫
ニッポニアニッポン新潮文庫
シンセミア』(上)朝日新聞社
シンセミア』(下)朝日新聞社
○小説以外の作品
青山真治と阿部和重と中原昌也のシネコン!リトルモア
映画覚書 Vol.1文藝春秋
ロスト・イン・アメリカデジタルハリウッド出版局
現代語訳 樋口一葉「十三夜 他」現代語訳樋口一葉河出書房新社
→こんな本もあったのか!。阿部和重の訳を読んでみたい。
○関連本
不過視なものの世界朝日新聞社
東浩紀との対談が収録されている。
ケータイ・プチポエム集英社
歌人加藤千恵と選んだポエム集。
○これから出るらしい本
阿部和重対談集