2004-01-06から1日間の記事一覧

『バカの壁』の中で、情報は変化しない、変化するのは人間のほうだ、という話があった。この意見自体は、その通りだなあと思う。文学で考えれば、テクストは変化しない、しかしそのテクストから多様な意味が生まれるのは、そのテクストを読む人間が常に変化…

子安宣邦『「事件」としての徂徠学』

◆子安宣邦『「事件」としての徂徠学』ちくま学芸文庫 ASIN:4480085750 一方、『「事件」としての……』は従来の日本思想史研究の盲点を突く鋭い批判精神に満ちた書物なのだけど、それが果たして成功しているのだろうかと疑問に思う。どうも印象としては、空回…

若桑みどり『戦争がつくる女性像』

◆若桑みどり『戦争がつくる女性像』ちくま学芸文庫 ASIN:4480085378 『戦争が……』は退屈な本だった。「女性」がいかにして戦争体制に組み込まれていくのか、イメージを通じて分析したものだが、まあ読む前から結論は分かっているので、読んで目から鱗が落ち…

◆『岩波講座 文学6 虚構の愉しみ』岩波書店 ASIN:4000112066