酒井聡樹『これからレポート・卒論を書く若者のために』

◆酒井聡樹『これからレポート・卒論を書く若者のために』共立出版、2007年5月
以前『これから論文を書く若者のために』を読んだことがある。とても良い本だった。若手研究者のための論文執筆法を説いたものだ。本書は、その手前の若者が対象である。これから卒論を書こうという学生にとって、非常に参考になる本だ。
内容は、3部に分かれる。第一部では、レポートや卒論とは何かが説明される。第2部では、具体的に卒論の書き方を説明していく。テーマの決め方からはじまり、文献調査の方法、論文の構成、タイトルの付け方など、卒論にとって基本的なことが語られる。特に、序論の書き方や説得力のある主張について説明している箇所は重要。本書の説明を参考にして書くと良いと思う。
第3部では、日本語の文章技術が取り上げられている。ここは本多勝一の作文技術の本を参考にして書かれている。(もちろん、著者の独自の方法もある。)なので、詳しくは本多の本を読んでみると良いのかもしれない。
文系・理系といった枠組みに関係なく、多くの大学生にとって必要な本だと思う。大学に入ったらすぐに読んで、レポート試験や卒論に備えておくべきだろう。論文の書き方を指導する教師にとっても大いに参考になる。

これからレポート・卒論を書く若者のために

これからレポート・卒論を書く若者のために