廣松渉『哲学者廣松渉の告白的回想録』

廣松渉(小林敏明編集)『哲学者廣松渉の告白的回想録』河出書房新社、2006年3月
廣松渉ファンなら必読か。
本書は、編者の小林氏が、1992年の4月に、闘病中の廣松にインタビューしたものである。幼少時代から60年代までの、廣松のプライベートなことから政治活動、そして学問のことを廣松自身が語る貴重な本だといえよう。
当時の左翼運動を知る上で政治活動の話も興味深いのだが、廣松の子ども時代、中学生時代の話もかなり面白い。例のドスを常に持ち歩いていたというエピソードも語られているし(「丸腰で歩くなんて、そんなみっともないことするけえ(笑)」(p.29))、喧嘩ばかりしていたという話にも驚いてしまう。

哲学者廣松渉の告白的回想録

哲学者廣松渉の告白的回想録