星野智幸『毒身温泉』

星野智幸『毒身温泉』講談社、2002年7月
「家族」の新しい形を考えようとした作品だとは思うが、私にはピンと来なかった。最後の「ブラジルの毒身」はなかなか面白い内容だったが、「毒身帰属」と「毒身温泉」の二つはイマイチだと思う。
星野作品はまだ3つしか読んでいないが、どうもワンパターンな作品ばかりだなという印象を受ける。植物、粘着性、水、南米、これらの主題が繰り返し出てくる。これらの主題が出てくると、「あ、またか」とうんざりしてしまう。星野の書き癖なのだろうが、このワンパターンの殻を打ち破るエネルギーが欲しい。
最近の作品では、この(悪い?)癖がどうなっているのかが気になる。

毒身温泉

毒身温泉