ニクラス・ルーマン『社会の芸術』

ニクラス・ルーマン(馬場靖雄訳)『社会の芸術』法政大学出版局、2004年11月
「芸術」なら、私でも少しは理解できるかもしれないと期待して読み始めた。でも、やっぱり玉砕した。まったく分からなかったというわけではないのだけど、自分で本の内容をまとめるのは無理だ。
とりあえず頻出する言葉から推測してみる。というか本論の一番最後に、「われわれの広範にわたる探求の成果を、一つの問いのうちに要約することができる」と書いているので、そこを引用してみる。その問いとは、「芸術と非芸術との区別をいかにして用いることができるかという問題である。あるいは「芸術と非芸術の統一性というパラドックスを、芸術システム自体のなかでいかにして解決できるのか」という問題」(p.516−517)であるとのことだ。
芸術システムが自己記述と他者記述の差異を通じて、芸術を非芸術と区別すること。この芸術/非芸術の区別には「作動」というのが関係しているみたいなのだけど、よく理解できなかった。それから、芸術の自己記述というか自己言及性、たとえば引用だとかオリジナル/コピーの問題とか触れられている。
この本、訳者のあとがきでも書かれたあったが、たしかに第一章から第三章が難しくて理解しにくい。第四章から、少しだけ読むのが楽になってくる。そして、一番最後の第七章は具体的に「芸術」の歴史に触れ、分析しているので、その前の章と比べるとはるかに分かりやすいし、興味深い内容になっている。美学とか芸術学に関心がある人なら、この第七章を読むだけでも充分なのではないか。ここだけは、もう一度読み直しても良いなと思った。

社会の芸術 (叢書・ウニベルシタス)

社会の芸術 (叢書・ウニベルシタス)