ジャック・デリダ『声と現象』

ジャック・デリダ(林好雄訳)『声と現象』ちくま学芸文庫、2005年6月
ちくま学芸文庫のために、あらたに訳出された本。この本は理想社から高橋允昭訳で出ていた。おそらく、理想社のほうも以前に読んだ記憶があるのだけど思い出せない。たぶん、デリダを最初に読むなら、『ポジシオン』かこの『声と現象』が良いと、何かの本を読んでこの二つの本を読んだのだと思う。たしかにデリダの思想のエッセンスは、これらの本に詰まっているようなのだけど、きちんと内容を消化できない。
ちまたに出回っているデリダについての解説や論文を参照すれば、この本に書かれてある内容について、なんとなく分かったような気分になるのだけど、それだけに留まらずに自分の読解をしたいのだ。そして、私なりにデリダの思想の可能性を発見したい。そんな思いを持ちながら、デリダの本をいくつか読んでいるのだけど、他の人とは違うオリジナルな解釈ができない自分が悔しい。というわけで、今回も何を手掛かりにして、この本を読めばよいのかが分からなかった。まだまだ自分の力が足りないのだろう。私もデリダフッサールを緻密に読解するように、デリダを緻密に読解してみたい。

声と現象 (ちくま学芸文庫)

声と現象 (ちくま学芸文庫)