ハイエク『隷従の道』

◆F・A・ハイエク(一谷藤一郎訳)『隷従の道―全体主義と自由―』東京創元社、1954年5月
例によって、私には細かいところまで理解できない、読むのに非常に苦労した本だ。要するに、「計画化」はダメだ、それは全体主義はてはファシズムを生み出す。「自由主義」「個人主義」でやっていくのがベストなのだ、ということを主張した本ということになるのだろうか。
仕方がないので、訳者の解説を参照すると、ハイエクはミーゼスの影響を受けているという。ミーゼスは、徹底した自由主義者で、意識的な計画と個人の自由は両立しない、したがって自動的諸力の運行に必要な諸制度を除けば、他のあらゆる計画は自由にとって有害になるとする。
ハイエク自由主義者ではあるが、ミーゼスほど徹底的ではない。つまり、完全な自由放任というわけではない。ハイエクは、最小限の計画化とある種の社会保障自由主義と矛盾しないと。競争を阻害する計画は、全体主義ファシズムへと繋がるが、競争を有効にする計画であれば、それは善いものとして受け入れるという。
善い計画と悪い計画を区別できるのかとか、計画が必然的にファシズムに繋がるのかなどという批判があるらしい。

隷従への道―全体主義と自由

隷従への道―全体主義と自由