藤沢晃治『理解する技術』

藤沢晃治『理解する技術 情報の本質が分かる』PHP新書、2005年5月
『「分かりやすい表現」の技術』の人の本だ。『「分かりやすい表現」の技術』は、プレゼンテーションの技術つまり情報発信のテクニックについての本であるが、今回は逆に情報を受けとるテクニックについての本だ。情報が氾濫する現在、多くの情報から自分にとって役立つ、あるいは必要な情報を効率良く手に入れるにはどうすればよいのか。これは、私には切実な問題だ。特に効率よく勉強できる方法とは何か、それが一番知りたい。
そんなことを思いながら、本書を読み始める。中でも自分に役立ちそうだと感じたことをメモしておこう。
まずは、本を読む際には全体を把握してから細部を読むほうがよいということ。はじめから細部にこだわってしまうと、木を見て森を見ずという状態になりかねない。全体を知ってから、細部を読むほうが理解しやすいという。
二つ目は、仮説を自分で作りながら読む。これと関連して、「これは本当なのか?」と問いかけながら読む。仮説を作ってから読むことのメリットは、仮説と本の内容が一致していればわざわざ新しいことを覚えなくても良い。その自分の仮説と同じ考えなのだとしておけばよいのだ。仮説と異なった場合。今度は、自分の考えとは違う!ということを印象に残って内容が覚えやすくなるという。この方法はなかなか合理的。ぜひ取り入れてみたい。
あとは、自分が気になったことや面白いと思ったことを落書き帳に抜き書きしてみるとよいということ。これは、私が日々実践しているなと思った。興味を引いたのは、抜き書きするときに自分で図解してみたり、自分の言葉に置き直して書いてみるのがよいとあること。私は、そのまま抜き出しておくほうがあとで引用などで使えるから便利だと思っていたけど、自分の言葉に直しておくのも記憶するという点においては役立ちそうだ。ここは試行錯誤で、両方の方法を平行してやっていこう。

理解する技術 情報の本質が分かる (PHP新書)

理解する技術 情報の本質が分かる (PHP新書)