野口武彦『三島由紀夫と北一輝』

野口武彦三島由紀夫北一輝』福村出版、1985年10月
タイトル通り、三島における北一輝の影を分析した論文を中心とした三島論を集めた本。たんに文学に留まらず、政治学まで視野に入れた分析は興味深く、面白いものだ。
三島が学生時代に刑事訴訟法に非常に高いを関心をもっていたこと、とりわけ団藤重光(法学部の人はよく聞く名前だろう)の刑事訴訟法の講義に関心を持っていた。この点から、三島の小説の本質を探った論文などはすごく面白い。法律と文学の比較と言ったらよいのだろうか。こういう組み合わせ方がすごいのだ。

三島由紀夫と北一輝

三島由紀夫と北一輝