意外?に面白かった

◆『美少女ゲームの臨界点 HAJOU HAKAGIX』
けっこう勉強になった。買って良かったなあと思う。
私はギャルゲーもライトノベルもまったく知識がないので、こういう本を買っても仕方がないだろうと思っていた。読んでみて、とりあえずギャルゲーというものがどんなものか、そのジャンルの性質が理解できた。これはけっこう重要。
というのは、ギャルゲーのジャンルの規則というか物語のパターンを知っておくと、ライトノベルを読む際に役に立つのだなあと思ったからだ。もしかすると、私は舞城を誤読していたのかなあなんて思ってみたり。
ただ、ギャルゲーをそんなに持ち上げなくても良いんじゃないかという気もする。メジャーになる必要もないだろうし。ちょっと熱を入れすぎて語っているなあと、逆に私などは醒めてしまったりもしたが…。
その時代の雰囲気というか意識をつかむには、一流の思想家や文学作品を読み解くよりも、むしろ二流、三流の思想家や、サブカルチャーを読み解いたほうがよく理解できる、とは言われる。そうした意味で、ギャルゲーを批評の対象にした本書はとても意味がある。おそらく今後、90年代末から2000年代の初めにかけての約十年間の「時代」を理解しようとするとき、必要となるだろう。「時代」を語る一つの資料としての価値は、充分に持っている。