戦後の日本思想に触れる

水谷三公丸山真男ちくま新書
新書にしては、かなり読み応えのある本で、実際新書のレベルは超えている。丸山真男論というほどのものではないが、丸山の文章を読み、そこからわき出る著者の率直な疑問を提示していくスタイルは、けっこう参考になる。「丸山真男」入門という感じ。
丸山真男の思想は、どうやら東アジアをあまり視野に入れていないようだ。対アメリカということが大きな問題だったのかなあ。対米従属をいかに克服して、自立をしなくてはいけない、そんなところだろうか。いまいちこの手の話は、苦手なので、内容を吟味することはできないけど、読んで損はしない本だ。