村上春樹『アフターダーク』

村上春樹アフターダーク講談社文庫、2006年9月
面白い小説。
都会のある一夜が舞台。ファミレスで一人で本を読んでいる女と彼女に話しかける男。ラブホテルでのちょっとした事件。怪しい組織。深夜に一人残業する男。そして、これらの登場人物たちを見つめ続ける「純粋な視点」。この視点が語り手であるが、主人公とも言える。このカメラのような視点をどのような読むか。批評の鍵となるところだろう。監視カメラ的だとか、ドキュメンタリー的だとか考えられる。どうしてこのような視点を登場させたのかと合わせて、面白いテーマだ。それから、中国人も出てくるので、村上春樹における「中国」の意味も気になるところ。

アフターダーク (講談社文庫)

アフターダーク (講談社文庫)