村上春樹『アフターダーク』
◆村上春樹『アフターダーク』講談社文庫、2006年9月
面白い小説。
都会のある一夜が舞台。ファミレスで一人で本を読んでいる女と彼女に話しかける男。ラブホテルでのちょっとした事件。怪しい組織。深夜に一人残業する男。そして、これらの登場人物たちを見つめ続ける「純粋な視点」。この視点が語り手であるが、主人公とも言える。このカメラのような視点をどのような読むか。批評の鍵となるところだろう。監視カメラ的だとか、ドキュメンタリー的だとか考えられる。どうしてこのような視点を登場させたのかと合わせて、面白いテーマだ。それから、中国人も出てくるので、村上春樹における「中国」の意味も気になるところ。
- 作者: 村上春樹
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/09/16
- メディア: ペーパーバック
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