関川夏央『白樺たちの大正』

関川夏央『白樺たちの大正』文春文庫、2005年10月
武者小路実篤を中心に、白樺周辺の作家たちの群像を描き、「大正」という時代を浮かび上がらせる。なかなか面白い。
武者小路実篤は、今では、ほとんど読まれていないと思われる。武者小路が大正時代によく読まれていたというのが信じられない。自分自身で建設した「新しき村」のために、ものすごい勢いで作品を書いている武者小路。かなり稼いでいたのだなあとわかる。だが、その稼いだお金は村のために使われてしまうのだが。
様々な人々が登場し、理想のために活動していく。そんな大正時代の雰囲気がよく感じられる一冊である。

白樺たちの大正 (文春文庫)

白樺たちの大正 (文春文庫)