網野善彦『日本中世に何が起きたか』

網野善彦『日本中世に何が起きたか 都市と宗教と「資本主義」』洋泉社MC新書
この洋泉社のモダンクラシックス新書は、新書にしては値段が高い。なぜだろう。この本も1500円する。新書で1000円を超えると、良い本でも買うのにためらってしまうだろう。他にも読んでみたい本があるのだが、もうちょっと値段が安ければ買うのにと思う。
本書は、網野史学のエッセンスがわりとよく理解できる。たとえば、『日本の歴史をよみなおす』あたりを一緒に読むと、網野善彦の方法論というか歴史の考え方を把握することができそう。
もう一つおもしろかったのは、保立道久氏の解説だ。この解説が熱い。網野史学をなんとしても超えてやろうという強い意志と、しかし同時に網野史学に対する尊敬の念の両方が記されていて、読んでいて感動してしまう。学問を通じた人とのつながりっていいなあと改めて感じた。