藤原てい『流れる星は生きている』

藤原てい流れる星は生きている』中公文庫、1976年2月
満州からの引き揚げ時の困難を語る。昭和20年8月9日から始まった藤原家の引き揚げは、約一年かかって日本にたどり着いた。病気、飢え、過酷な山中の移動。その中で、母と三人の子どもたちは何度も「死」に直面している。途中で、夫は捕虜としてつかまってしまうので、藤原てい一人で赤ん坊を含んだ幼い三人の子どもを連れて逃げなければならなかった。当時の状況が生々しく語られていて、読むのがつらい。

流れる星は生きている (中公文庫)

流れる星は生きている (中公文庫)