2006-06-20から1日間の記事一覧

中原昌也『マリ&フィフィの虐殺ソングブック』

◆中原昌也『マリ&フィフィの虐殺ソングブック』河出文庫、2000年9月 よく分からない。中原昌也の小説は苦手だ。暴力とエロとナンセンスに満ちている。だから意味や物語を求めても仕方がなく、既成の言葉が使い減らされていくさまをただ眺めるのが、本書を楽…

津島佑子『女という経験』

◆津島佑子『女という経験』平凡社、2006年1月 「女」とはなにか(p.7)――という問いのもと、古今東西の宗教や神話、物語をとりあげ、そのなかに描かれる「女」のイメージを読み解く。かなりの数の神話を小説家らしく自由奔放に読んでいるのが特徴的。女という…

ロブ・マーシャル『SAYURI』

◆『SAYURI』監督:ロブ・マーシャル/2005年/アメリカ/146分 ある意味問題作なのだろうけど、いちいち「あれは現実のものとちがっている」とつっこんでも仕方がないのか。現実の世界とは関係なく、一つの独立した世界を創造しているとして楽しむのが賢明だ…