2018-02-16から1日間の記事一覧

石井遊佳『百年泥』

■石井遊佳『百年泥』新潮社、2018年1月 『おらおらでひとりいぐも』とは対照的に、とても洗練された物語となっている。さまざまな物語が「泥」から生まれてくる。単に「私」の物語で終わることなく、世界の広がりを感じさせてくれる。リアルな描写と幻想的な…

若竹千佐子『おらおらでひとりいぐも』

■若竹千佐子『おらおらでひとりいぐも』河出書房新社、2017年11月 東北弁の語りが入り交じる文体に、最初は興味深いと感じた。標準語の語り手と東北弁で語る「桃子」、さまざまな語りが多声的に広がっていくのではないかと予感させたのだが、期待外れの展開…