杉田俊介『ジョジョ論』

杉田俊介ジョジョ論』作品社、2017年7月

時折、著者の自分語りが挿入されるものの、前半はいちおうジョジョ作品の分析がなされていた。ジョジョに興味がある者にとって、参考になる。しかし、後半というか最後の7章から8章あたりになると、ジョジョを用いた作者の個人的な人生論となってしまうのが非常に残念。ジョジョという作品に関心があるのであって、著者の人生などには興味がない。勝手に自分の思うように生きれば良いじゃないか、としか思えない。最後に加えられた補論に至っては、資本主義批判についてまとめた著者のお勉強ノートであり、ジョジョとは関係ない。『ジョジョ論』なのであるから、やはりジョジョという作品を深く論じた評論であってほしかった。 

ジョジョ論

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