磯田光一『思想としての東京』

磯田光一『思想としての東京――近代文学史論ノート』国文社、1978年10月
都市論といえば広い意味で都市論なのだろうけど、副題にちゃんと「近代文学史論ノート」とあるように、やはりこの本は文学評論だ。「地方としての東京」と「中央としての東京」という対立から、「地方としての東京」が消滅させられていく過程を、東京の地図を参照しながら論じていく。この消滅の過程は、当然文学にも反映していくだろう。
江戸時代から昭和のはじめのころの東京の地図では、「西」が上になっていたというのが面白い。

思想としての東京―近代文学史論ノート (講談社文芸文庫)

思想としての東京―近代文学史論ノート (講談社文芸文庫)