吉村公三郎『安城家の舞踏会』

◆『安城家の舞踏会』監督:吉村公三郎/1947年/松竹大船/89分
脚本は新藤兼人。吉村=新藤コンビによる初めての作品。戦後の改革で没落する貴族、安城家を描いた物語。娘役に原節子、父親役に滝沢修。シニカルな息子を森雅之が演じている。この娘と父が、やけに親しくて思えて、どうも近親相姦のイメージが付きまとう。娘は父親に対し、家族愛以上のものを抱いているとしか思えない。最後に、父と娘がダンスを踊る場面などは、このイメージをますます強めることになるだろう。
『暖流』でも気になったのが「海」の映像で、この作品でも「海」の近くに屋敷があるのは注意すべきことなのだろう。吉村公三郎の作品は、「海」が重要なイメージなのかもしれない。