川島雄三『女であること』
◆『女であること』監督:川島雄三/1958年/日本/100分
原作は川端康成の『女であること』(ISBN:4101001162)。この小説はこの前読んだ。監督が川島雄三だし、市子役を原節子が演じているので期待したが…。ちなみに、さかえ役が久我美子で妙子役が香川京子。この配役は、けっこううまくいっていたように思える。久我美子も香川京子も良かった。原節子と香川京子が一緒にいると、つい『東京物語』を思い出してしまう。
映画の冒頭、さかえが大阪から東京へ出て来るところは、非常にテンポ良く軽快なタッチで描かれていてすばらしいと思ったが、後半になるとどうも物語が行き詰まってくる。小説で書かれていることが、映画ではかなり省かれてしまったので、物語が唐突な展開をしているという印象は免れないだろう。妙子の父の裁判が終わって、なぜか佐山が交通事故に遭い、入院したと思ったら、次の場面でもう退院して、快気祝いのパーティーの場面になっている。と思ったら、市子が妊娠しましたということになり、さかえは京都の父の所へ行くと市子に別れを言って去っていく。この最後の場面の処理がうまく出来ていないくて、説得力を物語になっていた。冒頭に見られた、軽快なテンポが、最後にきて仇となったようだ。