吉本隆明『ハイ・イメージ論Ⅲ』
◆吉本隆明『ハイ・イメージ論Ⅲ』ちくま学芸文庫、2003年12月
『ハイ・イメージ論』の第3巻。第1巻、第2巻とかなりつらい思いをしながら読んだので、最後の第3巻もそれなりの覚悟をしつつ読み始める。
しかし、そんな不安をよそに、意外や意外に読みやすい。簡単に理解できる内容とは言えないが、第1巻や第2巻に比べればかなり分かりやすい内容になっていた。これなら、はじめにこの第3巻を読んでおけば良かったなと思う。
解説で芹沢俊介が指摘していたことなのだが、第1巻と第2巻で重要なキーワードであった「世界視線」「普遍視線」という言葉が第3巻では見当たらなくなっている。これらの概念が一度も現れないと芹沢氏は述べている。これは、注意すべきことなのだろう。なにしろ、第1巻と第2巻を読むのがつらかったのは、この「世界視線」とやらの概念が、私の頭にすんなりと入ってこなかったからだと思う。だから、「世界視線」の現れない第3巻は、難解だという印象をさほど受けなかっただろう。
しかし、『ハイ・イメージ論』全体を成り立たせている概念が、「世界視線」「普遍視線」であるのだから、この概念はきちんと把握しておかねばなるまい。となると、再び第1巻と第2巻に戻らなければ行けないのだが…。しばらくは、読みたくない。
少し遠回りになるが、吉本隆明の別の著作に当ってみよう。

- 作者: 吉本隆明
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2003/12/10
- メディア: 文庫
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