ジャン・ルノワール『フレンチ・カンカン』

◆『フレンチ・カンカン』監督:ジャン・ルノワール/1954年/フランス・イタリア/104分
ジャン・ギャバンが渋い。背中で語るとは、ジャン・ギャバンのことか。どんな動作をしても、ばっちり決まる。見事な演技。立っているだけでいい。それで満足。ジャン・ギャバンはすばらしい。
そして、ルノワール。なぜだか分からないけど、王子とニニの恋を見ていたら、小津の映画を思い出す。ルノワールと小津、どこかに相通じるところがあるのだろうか。
ラストのカンカンの場面が素晴らしいのは間違いないのだが、画面狭しとたくさんの人たちがダンスをする。この激しい運動性、力強い生命力に感動。いくらCGが発達したとしても、映画の魅力はやっぱり人間の生み出す運動であって、コンピューターの作る運動(のようなもの)ではないのだ。

フレンチ・カンカン [DVD]

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