橋爪大三郎『政治の教室』

橋爪大三郎『政治の教室』PHP新書、2001年10月
橋爪氏らしく、とても分かりやすい本。民主主義の起源を辿り、民主主義の長所と短所を説明する「原理編」。日本人の政治意識を考察した「現実編」。そして、これらを踏まえた上で、著者なりの政治改革の方法を示す「改革編」の3つが本論である。最後に「草の根民主主義のつくり方 10ヶ条」という、本書のまとめとなる章がついている。
本書の主張は、自分の手で政治を行う、行えるような社会にしていくことだろう。政治も、個々人が積極的に主体的に関わることによって、楽しくなるのだと著者は言う。要するに、だれかに決めてもらうのではなくて、自ら勉強して討論に参加し、政策を考え、自分の責任で選択・決定する個人が求められているのだろう。政治を一部の人たちの手に任せていては面白くないというわけ。で、その政治を面白くする方法というのが「草の根民主主義の作り方」なのだ。

政治の教室 (PHP新書)

政治の教室 (PHP新書)