三島由紀夫『永すぎた春』

三島由紀夫『永すぎた春』新潮文庫、1960年12月
お昼にテレビでやっているような通俗メロドラマだな、という印象。すごくテンポが速いのだ。出会って、婚約して、だけど結婚式だけはお預け状態の二人。その間、二人にはさまざまな問題が生じて、悩んだりするわけだけど、いつも都合良く解決して、そして二人の絆はより深まり、結婚を迎える、という物語。だけど、さすがに三島だけに、最後まで飽きずに読ませる。なかなか面白い小説なのだ。
純文学方面の作品だけではなく、この小説のような通俗的な小説も読んでいかないといけない。これも三島の一面で、けっして無視できない仕事だと思う。

永すぎた春 (新潮文庫)

永すぎた春 (新潮文庫)