『麦秋』が見たくなる
◆『釣りバカ日誌15 ハマちゃんに明日はない !?』監督:朝原雄三/2004年/松竹/107分
『釣りバカ日誌』の15作目になるのだけど、はじめて映画館で見た。というか、まともに見たこと自体がはじめてかも。よくテレビで放映しているけれど、テレビではあまり映画を見ることがないから。
この映画を見に行ったのは、ただただ小津の『麦秋』が引用されているのを確認したいがため。いったいどんな風に『麦秋』が出てくるのか、それを楽しみに見る。とは言うものの、そもそも『麦秋』を見ていないのだけど。
当たり前だけど『麦秋』は、ほんの少しだけしか出てこなくて残念だ。原節子が結婚を承諾する場面が引用されていたのだけど、その直後に、実家の秋田に戻った江角マキコ演じる薫が、同じシチュエーションで、やはり結婚を決めるという、なんていうかそのままだった。もうちょっと、工夫すれば良かったのにと思う。
しかし、原節子はきれいだ、と本編と関係なくジーンと来てしまった。原節子の眼がすごいんだ。画面を見る者の視線を惹きつける。キラキラ輝いていた。あの眼があるから、きっと日本映画のミューズになったのだろうなあと。やっぱり『麦秋』を見ておけば良かった。お金を貯めてDVDを手に入れよう。