欲しいけど

◆岩本憲児編著『日本映画とナショナリズム1931-1945』森話社
森話社から、「日本映画映画史叢書」というものが出た。この間まで岩波書店では、「文学講座」シリーズを出していたけど、その映画版といった感じだろうか。テーマ別編成の映画史研究書だ。「大きな物語」が消滅してから、年代順の文学史とか映画史ってやりにくいのだろうなあ。なんせ、「複数の歴史」が良心的研究者の間では流行しているから。ヘーゲルみたいな歴史観、あるいはマルクス主義唯物史観なんてダメよ、と良心的な人々は批判する。そんな世の中になってしまったのだ。
ところで、この本はこのシリーズの第1巻である。刊行予定のリストを見ていると、全巻揃えたくなるのだけど(たとえば、映画と「大東亜共栄圏」、映画と身体/性、家族の肖像、映画と観客etc...)、だめだ、仕事もしていない学生の身分ではとても買えそうにない。図書館で借りるしかないのだろうなあ。