ちょっとショック!でも、がんばります
◆小谷野敦『俺も女を泣かせてみたい』筑摩書房
ちょっとタイトルが気になる。エッセイ集なので、さらさらっと読み終えた。言葉とか歴史とか地理ついての知識の豊富さには、脱帽。「へぇー」と思ったことも多い。
それにしても、不機嫌キャラというのも、なんか面白いなあと。日常で感じた怒りをもとにエッセイを書くというのも悪くない。たまに現れる過剰さがすごいなと。ここまで言ってしまうか、と思うこともしばしば。この「正直」さが、魅力といえば魅力なんだろうか。
で、ショックというのは、以下の記述のことだ。
大阪にいる学者はバカが多いという私の偏見をつよめてしまったではないか。(p.222)
外国語学習の選択肢がもっとあってもよい、その理由として男の子はスポーツが好きで、野球が苦手でもサッカーが得意ということもあるように、英語が苦手でも他の言語なら得意ということもあるだろう、という大阪のある研究者の外国語教育論を批判しながら、書いてあったことだ。まあ、エッセイなんで冗談も入っているのかもしれないが。あ、でも「バカ」が多いのか…。いや、まあ、なんとかその「偏見」がなくなるように大阪でがんばろう、なんてことを決意する午後。