どん底からの出発

バルザックバルザック全集』第11巻(『幻滅』第1部、第2部)東京創元社
ようやく『幻滅』の半分を読み終えたところ。物語もだんだん面白くなってくる。読むスピードも上がってきたところだ。
パリにやっては来たものの、社交界ではまったく相手にされず、肝心の頼りにしていたバルジュトン夫人には逃げられて、路頭に迷うリュシアン。有り金も使い果たし、まさにどん底状態に陥る。仕方なく、節約生活をしながら、文学の勉強を続けることにする。
そんなとき、ふとしたきっかけから、文学サークルとの交流が始まる。文学仲間との友情で、その実力を開花し始めるリュシアン。だが、その一方でジャーナリズムにも関心を向け始める。文学仲間からは、新聞社で働くことをはげしく咎められるが、リュシアンの「自尊心」がジャーナリズムの世界へ足を向けてしまう。

「つまり、新聞はこういう場所でこういうふうにしてつくられるわけ?」とリュシアンはたずねた。(p.251)

もともと文才があり、頭の回転も良いリュシアンなので、はじめて書いた記事が評判となる。若い女優との恋愛も起こり、どん底の生活から抜け出し始める。
きょう読んだ部分は、こんな内容だった。すごく続きが気になるところだ。一度は社交界から追放されたリュシアンだが、その社交界を見返すことはできるのか。彼がどこまで出世するのだろうか。最後はどうなってしまうのか。気になって仕方がない。