一読の価値あり

◆ケネス・クラーク『ザ・ヌード』ちくま学芸文庫
西洋美術における「ヌード」つまり裸体の表象の歴史を追った力作。読んで勉強になるし、おもしろい。内容は、

この本において、私は、はだかの肉体が忘れ難い形態を与えられるようになったのは、ある種の断念、ないしは感情の状態を伝えようという願望に発するものであることを示そうとした。(p.542)

というもの。目次を参照すると、もう少し分かりやすい。「はだかと裸体像」「アポロン」「ヴィーナス」「力」「悲劇性」「陶酔」「もう一つの流れ」「自己陶酔としての裸体像」。
ケネス・クラークといえば、『風景画論』という本があって、こちらも有名。私はまだ未読だけど。美術史では、やはり大きな存在なのだろう。