書評を読む、大阪の図書館、そして80年代

中条省平『名刀中条スパパパパン!!!』春風社
◆『国文学解釈と鑑賞別冊 堀辰雄モダニズム』至文社
◆『大阪人』2004年3号 特集図書館へ行こう!
◆『STUDIO VOICE』2004年3月号 雑誌文化伝説'70〜'85
 書評の書き方で、参考になる本を探してみる。となると、やっぱり中条昇平が、いちばんオーソドックスというか、文章も読みやすいので、参考にしやすい。映画や小説に詳しいのも良い。
堀辰雄は、最近はモダニズムの視点からの研究が増えてきているのかも知れない。まあ、もともとモダニズム系統の作家を読んでいるのだから、当然の成り行きか。けっこう時代の雰囲気を取り入れている作家(特に初期)で、昭和初期の文学を考える時に取り上げる価値がありそうだ。
 図書館特集が使えそうな感じがしたので、『大阪人』を買ってみた。大阪にある図書館をいろいろ紹介している。大阪には、府立の図書館と市立の図書館があるけれど、府立は中之島はともかく、もう一つが遠いところにあるのが欠点。その点評判が良いのは、市立図書館のほうか。私は、2、3回しか行ったことがないけれど、蔵書はかなり充実していた印象がある。駅と繋がっているのも便利なのだろう。
 図書館といえば、国会図書館の関西館に行ってみたいと思っていたけどまだ行っていなかった。この雑誌にも紹介されているけれど、写真で見る感じかなり良さそう。でも、これもまた行くのが面倒な場所にある。図書館は広い敷地が必要だし、仕方がないのだけど、アクセスしやすい場所に図書館があるとうれしい。
 『STUDIO VOICE』の雑誌特集を見ていると、なんかためいきが出る。80年代、その頃私は小学生、中学生で、おまけに田舎で生活していたので、まったくこういう文化に触れる機会がなかった。なんていうか80年代を知らないというのは、私のなかで一つのコンプレックスで、こういう文化を語れる人に羨望と妬みを感じる。いまだに何があったのか分からないし。