◆門脇俊介『フッサール』NHK出版

それから、もう一冊の読了本『フッサール』の印象は、意外に難しい本だったなということ。少なくとも私には難しかった。やはり100ページほどの小著でフッサールという巨大な思想家を論じるのは、相当困難な試みであったのだろうと推測される。おそらく、ここで論じられたのはフッサールの思想のごくごく一部なのだろう。しかし、その一部分に光りを当てることで、なんとかフッサール入門の手掛かりとした、そんな本だった。
意外に難しいと感じたのは、もちろん私が現象学の用語に慣れていないからだ。とは言うものの、逆に言えば、ある程度現象学の用語に親しんでいる中級者(?)あたりの読者でないと、この本は難しいなと感じるのではないだろうか。