命より大切なもの
「パトカーから逃走、3人乗りバイクの中学生けが…1人自殺」
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20040205i302.htm
ニュースによると、ナンバープレートのない3人乗りのミニバイクをパトカーが発見。追跡したところ、ミニバイクは鉄柱に衝突した。その事故で軽傷を負っていた中学生の一人が、病院に行く前に自宅で自殺していたという。
今、モーリス・パンゲ『自死の日本史』という本を読書中なので、おもわず「自殺」というニュースに反応してしまった。この本では、日本人の「自死」あるいは「意志的な死」ということで、自ら死を選択する行為にある種の美学(という言い方は間違っているのかもしれない)を見出し、「自死」という行為の意味を研究した本だ。
話は横道に逸れてしまったけれど、それにしてもこの中学生にとって、自ら命を絶ってまで守りたかったものとは何だったのだろう?たしかに法律違反をして犯罪を犯してしまった。警察に追われている。どうしようか、考えたのだろう。しかし、その時なぜ死を覚悟し実践する意志があったのに、自首して更正しようという勇気が持てなかったのか。警察に補導されるぐらいで、捨てられるような命だったのだろうか?それとも、命を捨ててまで守らなければならない重大なものがあったのか。私には他人の心まで読むことは出来ないけれど、不可解な事件だと思った次第。