2006-06-22から1日間の記事一覧

町田康『きれぎれ』

◆町田康『きれぎれ』文春文庫、2004年4月 「きれぎれ」で芥川賞を受賞したわけだが、私には「くっすん大黒」のほうが面白かった。「きれぎれ」は、どこか計算されて作られているなという印象を受けてしまう。でも面白い。きれぎれ (文春文庫)作者: 町田康出…

町田康『くっすん大黒』

◆町田康『くっすん大黒』文春文庫、2002年5月 遅ればせながら、町田康のデビュー作を読んでみる。とんでもなく面白い。これはすごいなあと感心しながら、一気に読んでしまう。また、文庫本の解説を三浦雅士が書いているのだが、この解説も非常に面白い。三浦…

たとえ「幻想」だとしても

「小説読者の質は果たして落ちたのだろうか*1」について、少し考えることがあったのでメモしてみる。 佐藤亜紀の「この世からは小説を読むための最低限のリテラシーさえ失われてしまったらしい」という意見に対し、筆者は違和感を覚えるという*2。その理由と…